四十肩はなぜ起こる?時期ごとの正しい対処法と、家でできる運動
「腕が上がらない」「夜、肩が痛くて目が覚める」——40代・50代になると、こんな肩の不調を訴える方が増えます。
レッスンでも「四十肩なんですけど、動かした方がいいんでしょうか」とよく聞かれます。答えは「時期による」です。ここを間違えると、かえって長引かせてしまうことがあります。
今回は、四十肩の仕組みと、時期ごとの対処法を整理してみました。
四十肩と五十肩は同じもの
まず、よくある疑問から。四十肩と五十肩は、同じ状態を指す言葉です。40代で起これば四十肩、50代なら五十肩と呼び分けているだけで、病気として区別はありません。
医学的な名前は「肩関節周囲炎(かたかんせつしゅういえん)」といいます。肩関節のまわりにある腱や靭帯、関節を包む袋(関節包)に炎症が起きている状態です。
はっきりした原因が分からないまま起こることが多く、加齢による組織の変化が背景にあると考えられています。
四十肩には「3つの時期」がある
四十肩がやっかいなのは、時期によって、やるべきことが正反対になる点です。
① 炎症期(急性期)
発症してから2週間ほど。もっとも痛みが強い時期です。
- じっとしていてもズキズキ痛む
- 夜、肩が痛くて眠れない(夜間痛)
- 動かせる範囲が急に狭くなる
この時期は、無理に動かしてはいけません。「動かさないと固まる」と思って頑張ってしまう方が多いのですが、炎症が強いときに動かすと、痛みが悪化して回復が遅れます。安静が優先です。
② 拘縮期(こうしゅくき)
急性期を過ぎると、ズキズキした痛みは落ち着いてきます。ただし、肩の動く範囲は狭くなったまま。この状態が半年ほど続きます。
「痛みは減ったのに、腕が上がらない」——ここが拘縮期です。
この時期からが、運動の出番です。動かさずにいると関節はますます固まります。痛みのない範囲で、少しずつ動かしていきます。温めてから動かすと動きやすくなります。
③ 回復期
動く範囲が少しずつ戻ってくる時期です。ストレッチに加えて、軽く筋力をつける動きも取り入れていきます。
発症から元に戻るまでには、1年以上かかることも珍しくありません。焦らないことが何より大切です。
「動かす」のは、痛みが落ち着いてから
まとめると、こうなります。
| 時期 | 目安 | やること |
|---|---|---|
| 炎症期 | 最初の2週間ほど | 安静。無理に動かさない |
| 拘縮期 | その後 半年ほど | 温めて、痛くない範囲で動かす |
| 回復期 | 徐々に | ストレッチ+軽い筋力づくり |
判断のめやすは「じっとしていても痛むかどうか」です。安静時にも痛むなら炎症期。動かしたときだけ痛むなら、少しずつ動かし始めてよい時期に入っています。
こんなときは、まず整形外科へ
自己判断せず、受診していただきたいケースがあります。
- 夜間の痛みで眠れない日が続いている
- 痛みが1か月以上続いている
- 転んだり、ぶつけたりした後から痛くなった
- 腕を上げようとしても力が入らない、支えられない
とくに最後の項目は要注意です。四十肩は「痛くて上がらない」のに対し、腱板断裂という別のケガでは「力が入らなくて上がらない」という違いがあります。人に支えてもらえばある程度上がるなら四十肩、支えても保てないなら腱板断裂が疑われます。
ただし、この2つは症状が似ていて、診察だけでは分からないことも多いそうです。レントゲンやエコーで確かめる必要があります。
家でできる、肩まわりの運動
痛みが落ち着いてきた方向けに、イスに座ったままできる肩の運動を動画にまとめました。
風船を1つ持つだけでできます。風船は軽いので、腕が上がりにくい方でも動かしやすく、「どこまで上がったか」が目で見えるのも続けやすいところです。
無理に上げようとせず、「昨日より少しだけ」を目安にしてください。毎日少しずつの方が、たまに頑張るより確実に戻ります。
※この記事は一般的な情報をまとめたものです。診断や治療に代わるものではありません。痛みが強いとき、症状が長引くときは、必ず医療機関にご相談ください。


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